記事一覧
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あの瞬間、何が生まれたのか?|『あんぱん』が描くアンパンマン誕生の“きっかけ”を考察
「ヒーローが自分の顔をちぎって誰かに食べさせる──」 この衝撃的な設定を持つ“アンパンマン”は、いかにして誕生したのか。 NHK朝ドラ『あんぱん』では、創作の奇跡が生まれた“きっかけの瞬間”が、 静かで、ささやかで、けれど確かなものとして描かれてい... -
“やなせ節”はどう描かれている?|アニメにならなかったやなせたかしのもうひとつの顔
「アンパンマンの生みの親」として知られるやなせたかし。 しかし、彼の表現者としての人生は、アニメ作家としての成功だけでは語りきれない。 やなせは、詩人であり、エッセイストであり、戦時体験の記録者であり、 そして“やなせ節”と呼ばれる独自の感性... -
“売れない時代”の描き方がリアルすぎる|表現者の苦しみと生き抜き方
成功を描く物語は数あれど、「成功しない日々」を正面から描く物語は案外少ない。 NHK朝ドラ『あんぱん』は、やなせたかしの“国民的作家”としての姿だけでなく、 売れず、迷い、社会に馴染めずにいた時間を丁寧に描き出している。 この記事では、“表現者の... -
夫婦なのに、同志でもある|やなせ夫妻の“対等な支え合い”が現代的すぎる理由
NHK朝ドラ『あんぱん』に描かれる、やなせたかしと妻・暢(のぶ)さんの関係は、 「昭和の夫婦像」とは一線を画している。 それは、“内助の功”でも“夫を支える影の存在”でもない。 むしろ、“共に戦い、共に悩み、共に笑う”同志のような関係性が描かれてい... -
“アンパンマン誕生”の裏にあった苦悩と希望|『あんぱん』に描かれた創作の原点
誰もが知る国民的キャラクター「アンパンマン」。 だが、アンパンマンは最初からヒーローではなかった。 むしろ、やなせたかしがその姿を描くに至るまでの道のりは、迷いと苦しみに満ちたものだった。 NHK連続テレビ小説『あんぱん』では、戦争体験、挫折... -
急がない・走らないドラマが与える癒し|『最後から二番目の恋』の“時間の流れ”設計
近年のドラマは、展開の速さが重視される傾向にあります。 1話ごとに驚きの展開、衝撃のラスト、感情の爆発── そんな“走るドラマ”が主流の中で、 『最後から二番目の恋』シリーズは、あえて「急がないこと」を美学として描きました。 この作品には、走って... -
品よく老いるということ|『最後から二番目の恋』に見る“歳を重ねる美しさ”の演出
「年齢を重ねる=衰えること」と捉えられがちな現代社会。 しかし、『最後から二番目の恋』シリーズが描いたのは、 “歳を重ねることでしか出せない美しさ”と、“老いの品格”でした。 この作品には、アンチエイジングや若作りでは表現できない、 成熟した人... -
“選ばない選択”が人生を豊かにする|『最後から二番目の恋』が描いた非婚の肯定
「そろそろ結婚しなきゃ」「この歳で一人は寂しい」── 続・続・最後から二番目の恋 そんな“世間の常識”に対して、そっと距離を置く大人たちが静かに共感したドラマがありました。 それが、2012年放送開始の『最後から二番目の恋』シリーズです。 中井貴一... -
住まいが語る人生の形|『最後から二番目の恋』に見る“家と人の変化”
ドラマに登場する“家”は、単なる舞台装置ではありません。 ときに登場人物の心を映し、関係性の距離を表し、 ときに人と人をつなぐ場所として、物語の軸になることもあります。 『最後から二番目の恋』シリーズにおける長倉家も、まさにそんな“感情を語る... -
沈黙こそがセリフになる|岡田惠和脚本が生む“感情の余白”の読み方
『最後から二番目の恋』シリーズを見ていて、不思議と胸に残るのは、言葉ではなく“沈黙のシーン”だったりします。 縁側に並んで座る千明と和平。 誰もいないダイニングで、一人でコーヒーを飲む背中。 ふとしたすれ違いの場面での無言の表情。 これらの“語...