8月30日(土)22:00、NHK総合の土曜ドラマ枠で『母の待つ里』がスタートします(全4回/22:00〜22:45)。原作は浅田次郎、演出は森義隆。出演は中井貴一・松嶋菜々子・佐々木蔵之介・宮本信子ほか。2024年にBS4K/BSプレミアムで先行放送された特集ドラマが、反響を受けて地上波で再編集・放送されます。
都会で孤独を抱えた三人の“子ども”が、〈母〉の待つ里へ――。第1回は、再会のまなざしと、言葉にならない違和感が同居する「帰郷の瞬間」を、大きな余白とともに描く導入回。ネタバレなしで、公式情報を補強しつつ、物語の背景・ロケ地・見どころを丁寧に予習していきます。
- 第1回の基本情報(放送日・放送時間・話数・主要キャスト)
- 公式あらすじの要点を補強した「導入の見どころ」(ネタバレなし)
- 舞台となる岩手県遠野市のロケ地と情景(遠野ふるさと村・伝承園・善勝寺 ほか)
- 視聴前に注目したい“3つの視点”──演技・音・風景
- 見逃し・配信の見通し(NHKプラス/NHKオンデマンドの想定)
第1回 基本情報(NHK総合 土曜ドラマ)
- 放送開始:2025年8月30日(土)
- 時間:毎週土曜 22:00〜22:45
- 話数:全4回
- 原作:浅田次郎
- 脚本:一色伸幸
- 演出:森義隆
- 出演:中井貴一(松永徹)/松嶋菜々子(古賀夏生)/佐々木蔵之介(室田精一)/宮本信子(母)ほか
- 備考:2024年にBS4K/BSプレミアムで放送された特集ドラマを再編集した地上波版
第1回のあらすじ(ネタバレなし・公式要点の補強)
物語は、都会でそれぞれの孤独を抱えた三人──松永徹(中井貴一)、古賀夏生(松嶋菜々子)、室田精一(佐々木蔵之介)が、どこかで同じ引力に導かれるように〈母〉(宮本信子)の待つ“里”へ向かうところから始まります。理由は違っても、三人が心の底で探しているものは似ている──「あなたは、ここにいていい」という言葉にならない肯定です。
再会の場に漂うのは、単純な歓喜ではなく、長い時間が作った“間(ま)”。第1回は、言葉少なな再会と、里に流れる独特の時間の手触りを丁寧に描きながら、三人それぞれが抱える事情と、〈母〉の存在の大きさを静かに提示します。誰かに抱きしめられるのではなく、「抱きしめられていた気がする」──そんな余韻が残る導入です。
舞台と情景|岩手県・遠野市が“もう一人の登場人物”になる
本作の主要ロケは、岩手県遠野市。曲り家(まがりや)や石垣、田の畦道、木造商店の並ぶ駅前通り──遠野の原風景は、里の記憶そのものとして機能します。第1回の見どころは、里に足を踏み入れた三人の目に映る「懐かしさ」と「未知」が同居する光景。黄金色の稲穂、川面に落ちる夕日、軒先で風に鳴る風鈴の音。風景が、台詞以上に物語ります。
主なロケ地(予習)
- 遠野ふるさと村:曲り家が連なる里の原風景。暮らしの痕跡が、登場人物の時間を呼び覚ます。
- 伝承園:民具や南部曲り家が残る“生活の記憶”の場所。素朴なやりとりが似合う空気感。
- 善勝寺と界隈:里に向かう動線として印象的に使われる。木立の影と石段のリズムが、心の起伏と重なる。
- 遠野駅・商店街:駅前から続く木造の街並み。帰郷者の視点にノスタルジアと違和感を同時に映す。
- カッパ淵周辺:水音と苔むす小径。情景カットとして“里の記憶”を象徴。
見どころ・展望|視聴前に押さえたい“3つの視点”
1)俳優の“沈黙”を見る
中井貴一・松嶋菜々子・佐々木蔵之介、そして宮本信子。第1回は台詞以上に“視線”と“間”が雄弁です。言いよどむ口元、目線のわずかな彷徨い、座り直す所作──小さな身体の動きが、関係の輪郭を描き出します。
2)風景と音の“奥行き”を聴く
遠野での長期ロケで収録された環境音が、画面の深みを増します。風の音、鳥のさえずり、虫の声、水のせせらぎ──音が層を成し、登場人物の沈黙を支え、場面転換の“余韻”を作る。ヘッドホン視聴もおすすめです。
3)“母”という存在の輪郭を感じる
〈母〉は、三人の“子ども”を待つ象徴的な存在として立ち現れます。優しいだけではない、時に厳しく、しかし根底では揺るがない肯定。第1回から、その輪郭が薄く光り始めるはずです。
ロケ地詳解|遠野の“物語性”を背負う場所たち
遠野ふるさと村(南部曲り家の集落)
囲炉裏の煙、土間の匂い、梁の煤。生活の痕跡がそのまま残る曲り家は、里に“時間の層”を与えます。手触りのある質感が、画面に密度を生みます。
伝承園(民具と語りの空間)
民具の展示や語りの場があり、〈暮らしの記憶〉を実感できる施設。素朴な交流シーンが似合う空気です。
善勝寺(石段と木立のリズム)
石段を上がる足取りや、木漏れ日が揺れる境内の静けさが、登場人物の心の起伏を映し出す舞台に。
遠野駅前〜商店街
木造の看板建築、古い喫茶、軒先の暖簾。帰郷者の視界に差し込む「懐かしさ」と「現在(いま)」の交差点。
カッパ淵(清流と苔むす小径)
水音と緑の濃淡が、画面の“呼吸”を整えます。情景カットとして挿入されるたび、里の時間が深くなる。
制作背景メモ(視聴の助けになる小さな知識)
- BS版は評価を受け、地上波版は再編集のうえ放送。放送枠移行自体が“視聴体験の再設計”。
- ロケは遠野で集中的に実施。環境音の収録を重視し、“画と音”で里の時間を立ち上げる設計。
- 原作:浅田次郎、脚本:一色伸幸、演出:森義隆──静かな会話劇と風景描写の相性が良い布陣。
配信・見逃しの見通し
- NHKプラス:同時配信・見逃し(1週間)対応が見込まれます。番組ページの案内をご確認ください。
- NHKオンデマンド:単品/見放題パックでの配信が想定されます。U-NEXTのNHKパック経由視聴も選択肢。
※正式な配信条件は各サービスの案内をご確認ください。
まとめ|“里”へ向かう、その一歩目に立ち会うために
第1回は、物語の大きな転換ではなく、観る者の心の重心をそっと移動させる回です。帰郷の足音、手触りのある風景、視線のわずかな揺れ──。その全部が、これからの4週を豊かにします。放送前の予習が、一層の“余韻”に変わりますように。
- 『母の待つ里』第1回は、8月30日(土)22:00からNHK総合で放送(全4回)
- 都会で孤独を抱えた三人が、〈母〉の待つ岩手県遠野市の“里”へ向かう導入回
- 再会の喜びだけでなく、長い時の中で生まれた“間”や違和感が描かれる
- 遠野ふるさと村・伝承園・善勝寺など、実在のロケ地が物語に深みを与える
- 見どころは俳優の沈黙、風景と音の奥行き、“母”という存在の輪郭
- NHKプラスでの同時・見逃し配信、NHKオンデマンドでの配信も見込まれる




コメント