2025年4月– date –
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品よく老いるということ|『最後から二番目の恋』に見る“歳を重ねる美しさ”の演出
「年齢を重ねる=衰えること」と捉えられがちな現代社会。 しかし、『最後から二番目の恋』シリーズが描いたのは、 “歳を重ねることでしか出せない美しさ”と、“老いの品格”でした。 この作品には、アンチエイジングや若作りでは表現できない、 成熟した人... -
“選ばない選択”が人生を豊かにする|『最後から二番目の恋』が描いた非婚の肯定
「そろそろ結婚しなきゃ」「この歳で一人は寂しい」── 続・続・最後から二番目の恋 そんな“世間の常識”に対して、そっと距離を置く大人たちが静かに共感したドラマがありました。 それが、2012年放送開始の『最後から二番目の恋』シリーズです。 中井貴一... -
住まいが語る人生の形|『最後から二番目の恋』に見る“家と人の変化”
ドラマに登場する“家”は、単なる舞台装置ではありません。 ときに登場人物の心を映し、関係性の距離を表し、 ときに人と人をつなぐ場所として、物語の軸になることもあります。 『最後から二番目の恋』シリーズにおける長倉家も、まさにそんな“感情を語る... -
沈黙こそがセリフになる|岡田惠和脚本が生む“感情の余白”の読み方
『最後から二番目の恋』シリーズを見ていて、不思議と胸に残るのは、言葉ではなく“沈黙のシーン”だったりします。 縁側に並んで座る千明と和平。 誰もいないダイニングで、一人でコーヒーを飲む背中。 ふとしたすれ違いの場面での無言の表情。 これらの“語... -
年を重ねることが“武器”になる|『最後から二番目の恋』に見る“老い”のアップデート
日本のテレビドラマでは、加齢や中年期が「壁」や「限界」として描かれることが少なくありません。 恋愛も仕事も、若い頃が華。年をとれば“主役の舞台”から降りるのが当然── そんな空気の中で、『最後から二番目の恋』は明らかに異質な存在でした。 中井貴... -
土地が感情を語る|『最後から二番目の恋』が鎌倉にこだわった理由とは?
テレビドラマにおいて「舞台となる土地」は、単なる背景ではなく、 登場人物の感情や関係性を映し出す“もう一人の登場人物”ともいえます。 『最後から二番目の恋』では、舞台が鎌倉であることが、作品の世界観や登場人物の内面に深く結びついています。 都... -
“血のつながらない居場所”の作り方|『最後から二番目の恋』に見る“新しい家族の形”
「家族とは何か?」と聞かれたとき、多くの人が“血縁”や“法律上のつながり”を思い浮かべるでしょう。 しかし、現代社会ではそれだけでは語れない関係性が、日常のあちこちに生まれています。 『最後から二番目の恋』シリーズは、そんな“つながりのかたち”... -
“完成しない”からこそ美しい|『最後から二番目の恋』が描いた大人の“途中”の魅力
テレビドラマの多くは、登場人物が「何かを達成する」「恋が実る」「人生が好転する」など、 “完成”や“解決”をもって物語を締めくくる構造をとります。 しかし、『最後から二番目の恋』はその真逆を貫いています。 この作品では、誰も完成しない。何も断定... -
“好き”を言わない恋愛のかたち|『最後から二番目の恋』に見る“関係の継続”という選択
恋愛ドラマといえば、「好きだ」「付き合ってください」「一緒にいたい」といったセリフが物語を進めるのが定番です。 しかし『最後から二番目の恋』シリーズには、そうした言葉がほとんど登場しません。 中井貴一演じる和平と、小泉今日子演じる千明の関... -
怒鳴らない・争わないのに心が動く|『最後から二番目の恋』が描いた“静かな衝突”の心理設計
テレビドラマにおいて「衝突」といえば、大声での喧嘩や感情的な対立が定番です。 視聴者の感情を揺さぶるためには、分かりやすい衝撃や緊張感が必要──そう考えられがちです。 しかし『最後から二番目の恋』シリーズでは、怒鳴り声や暴言はほとんど聞こえ...